補習所のお話

 
会計士って一体何??というお話、ちょっと間があいてしまいました。今回は、会計士試験に合格したら通わなければいけない補習所のお話です。補習所というのは、簡単にいえば、司法試験でいうところの司法修習生にあたるようなところといった感じでしょうか。会計士2次試験に合格した会計士補たちを集めて、監査、会計、税務などの実務につき、その道の専門家を先生として招いて講義をする学校みたいなところです。会計士補は、会計士試験合格後、1年間、この補習所に通うことになります。ただ、司法修習生の場合は、その間は準公務員ということで修習に専念でき、お給料までもらえるみたいなのですが、会計士の補習所の場合は、仕事しながらその傍らで通わなければならず、また、修習のための授業料も払わなければいけません(もっとも、監査法人に就職していれば、監査法人が払ってくれるのですが)。
 
加えて、これに通うのが結構大変で、通常は平日の夜と、あと土曜日の午後にあるんですよね。平日も仕事を終わってから講義を受けなければならないし、土曜日に至っては、ほぼ1日つぶれる・・・。ただ、一方で補習所では、同期の会計士補に出会えるため、ここで仕事とは直接関係のない友人をつくることとかもでき、貴重な出会いの場(って、男女間に限らずですよ。男女間の出会いの場になった方もいるみたいですが(^^;;)になっています。また、年に2度、1泊2日で泊り込みの補習があり、それは夜遅くまで同じ補習生と飲んで盛り上がったりして、ちょっと学生気分に戻れて、なかなか楽しかったりします。また、東京では残念ながらなくなってしまったのですが、大阪とかでは証券取引所の見学とかもあったりして、いろいろと経験がつめる1年であったりもします。
 
ただ、その一方で、監査法人に就職した会計士補にとっては、上司も重々理解しているため、何の問題なく、業務に優先して通えるのですが、監査法人以外に就職した会計士補にとってみれば、やはり平日に通うというのは通いづらい上に、年に2週、朝から夕方までぶっ通しの集中講義があって、監査法人以外に就職した会計士補にとって通うことはほぼ不可能。「監査法人以外の分野でも、会計士が活躍できるようにする」と金融庁とかは言っているはずなのに、この補習所のシステムによって、会計士補が監査法人以外の会社に就職することは非常に困難という矛盾も生んでいたりします。本当は、司法試験と同様、1年なり半年なり補習に専念できる体制にするのが一番望ましいと思うし、実際、そういう意見もあるんですけどね・・・かなり実現は難しいとは思うのですが。