{読書日記]「1リットルの涙」

 

1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)

1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)

 
現在、ドラマとして放映中で話題の作品。この本も大ヒットしているみたいです。ただ、この作品自体は、いまから20年近く前に、東海地区限定で出版し大ヒットを記録し、話題になりました。というか、個人的にも20年前はまだ小学生だったのですが、この本のヒットはかなり強烈的に印象に残っていて、書店に大量に並んでいたのも覚えているし、出版後、彼女が亡くなった時(地元では)ニュースになったことも、ぼんやりながらも記憶になります。だから、最近、映画化、さらにドラマ化というニュースを聞き、まず感じたのは「なんで今さら。しかし、懐かしいなぁ・・・」という感想でした。
 
とはいえ、20年前はさすがに小学生の低学年ということもあって、きちんとは読んでいなかったので、このブームに乗じて、文庫本で手に取ってみました。そして読んでみると・・・本当に重いお話です。読んだ時も涙が出て仕方なかったのですが、読み終わった後に、まるで重い鉛を飲み込んだかのように、身体にじわーと響いてきます。もう、とにかく内容がリアルの一言。作者である木藤亜也さんは、すごく前向きで、頭もよく、周りに対する思いやりもあり、生きているという意味をしっかりと問いかけている文章が、すごく心を打つのですが、その反面、病気でくじけてしまいそうな側面や、未来に対して絶望する側面、その他、彼女のネガティヴな側面もつづられていて、そういった部分がまた、非常にひとりの女の子としてのリアリティーがあって、胸をうたれました。
 
あと、これはあくまで私個人的な感想なんですが、このお話、私の地元の話なんで、出てくる固有名詞にすごくなじみのある名前が多いんですよね。それだけに、逆にすごく親近感がわいて、それがまた、自分の身近にこんな子が・・・と涙を誘ってしまいました。
 
ちなみに、読後にドラマも見てみました。ドラマもドラマで悪くはないのですが、やはりきれいに描きすぎていて、リアリティーには欠けるなぁ。お涙頂戴的になっているので、なけることはなけるのですが、原作のような、見終わった後、胸にズシンと来るような、そういう重みは感じませんでした。ただ、一般的にゴールデンのドラマとしては十分すぎるほど重いとは思うのですが・・・。